- 第50回 日本精神科看護学術集会>
- 学術集会プレイバック
2019年6月21日(金)~23日(日)、長崎県長崎市の長崎ブリックホール、長崎新聞文化ホールアストピアで、第44回日本精神科看護学術集会が開催されました。高田明氏(ジャパネットたかた創業者)の特別講演や、児童虐待予防支援ツール「パパカード」(日精看作成)に関する公開講座など、市民に向けた企画も開催。日精看が積み重ねてきた看護の知恵を継承・発展させ、さらに社会貢献に結び付けていく方向性を共有した3日間でした。
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基調講演・シンポジウム 学術集会主題「精神科看護の継承と発展」に沿って、末安前会長(写真左)と吉川新会長(写真右)による基調講演と、シンポジウムが行われました。基調講演で末安前会長は、「いままで培ってきた精神科看護を継承するためには、出前講座などで社会に積極的に出て接点をもち、精神科看護者が日々何をめざしてどのようなことをしているのかを知ってもらうことが必要だ」と強調。日精看が行っている研修会やアール・ブリュット展などの事業、日精看の活動方針を、協会活動理念である「だれもが安心して暮らせる社会の実現」の視点から説明しました。吉川新会長は、日々の実践知や経験知の積み重ねの重要性を強調し、「日々の看護ケア実践を事例発表などの形にして積み上げていくことが大事だ」と述べました。さらに、看護者の声が新たな制度をつくりだし、発展に結びつくと呼びかけました。
- 教育セミナー 東日本大震災や行動制限最小化など、4つのテーマで教育セミナーが行われました。講師の武井麻子氏(写真下)は「組織のストレスとコンサルテーション」をテーマに、感情労働という視点と医療福祉にかかわる組織のダイナミクスについて解説。日々感じているストレスへの考察を深める機会となりました。
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看護研究発表 学全244題の発表(口頭発表148題、示説発表96題)が行われました。発表後も、参加者が発表者に質問している様子が見られました。
- 一般演題A・B一般演題A(実践報告・業務改善報告)37題、一般演題B(ワークショップ22題、交流セミナー10題)が行われました。一般演題Aでは外来看護や地域連携に関する報告もたくさん発表されました。一般演題Bでも実践報告や現場で活用できるツールの紹介など盛りだくさんの企画が並び、各会場で参加者同士が交流を深めました。
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アール・ブリュット展 今年は、2人の兄弟(五則野わらじさん、福井誠さん)の作品が展示されました。表現方法に違いはあるものの、どちらも細かい線で描かれた緻密な作品の数々。訪れた人たちは、虫眼鏡を使いながら作品に見入っていました。同会場では「第4回 私が見つけた!アート写真コンテスト」の受賞作品と、いままで連続受賞をしている山口優さん、Sato-Cさんの最新作も展示されました。
2018年6月15日(金)~17日(日)、愛知県名古屋市の名古屋国際会議場で、第43回日本精神科看護学術集会が開催されました。学術集会主題は「精神科看護の創造と継承」。昨年を上回る約1,600人が参加しました。看護研究発表や実践報告、ワークショップ、各種セミナー、映画上映などたくさんのプログラムが行われました。
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基調講演・シンポジウム 学術集会主題をテーマに、基調講演とシンポジウムが行われました。基調講演では吉浜業務執行理事が、先輩看護者から学んだこと、回復過程の観察における看護の視点や事例報告の重要性を述べ、看護者による「実践知」の共有・蓄積が精神科看護の創造に不可欠であることを強調しました。シンポジウムでは、3名のシンポジストがそれぞれの立場から、継承したい精神科看護とは何か、精神科看護を創造していくために何が必要かなどについて語りました。
- 教育シンポジウム 嶋森好子氏、大谷須美子氏、小林美和氏をシンポジストに迎えて、教育シンポジウム「激論! 身体拘束に頼らない看護を実現する!!」が行われました。「高齢者の身体拘束」に焦点をあて、マネジメント、医療安全管理、現場の看護実践の視点から意見が交わされました。
- 一般演題A・B一般演題A(実践報告・業務改善報告)60題、一般演題B(ワークショップ22題、交流セミナー6題)が行われました。一般演題Bでは、地域生活支援、看看連携、行動制限最小化、臨床倫理、接遇など幅広いテーマの企画が並び、各会場とも大いににぎわっていました。
- 看護研究発表 今年は全251題の発表(口頭発表103題・示説発表148題)が行われました。
- 管理者セミナー 管理者セミナーの1つ、「精神科認定看護師活用術」では、管理者と精神科認定看護師が協力しあいながら病院全体のケアや教育が発展してきた経緯や、実際の活動が詳しく報告されました。
- アール・ブリュット展 今年は7人の作家の作品と、第3回アート写真コンテスト(日精看主催)の受賞者10人の写真が展示されました。作家の木本俊博さんと勝部翔太さんによる制作実演も行われ、訪れた参加者は作品が生み出される瞬間に見入っていました。
2017年6月16日(金)~18日(日)、岡山県岡山市の岡山コンベンションセンター(ママカリフォーラム)で、第42回日本精神科看護学術集会が開催されました。学術集会主題は「質の高い看護実践を保障する~個別性と効率性の矛盾を克服して」。全国から約1,500人が参加しました。10の各会場では教育セミナーや管理者セミナー、緊急企画など盛りだくさんのプログラムが行われました。
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基調講演・シンポジウム 学術集会主題をテーマに基調講演とシンポジウムが行われました。吉野百合理事による基調講演では、私たちを取り巻く環境の変化を政策やグローバル化の視点から解説。変化に対応し、覚悟を決めて意識変革していく必要性、私たちがもっている力を発揮する大切さを強調しました。シンポジウムでは看護管理者とピアスタッフがシンポジストとして登壇。質の高い看護実践に向けた取り組みを語りました。
- 教育セミナー・シンポジウム 4つの教育セミナーと教育シンポジウムが行われました。教育シンポジウムでは、精神科看護歴40年を超える3名のシンポジストが、これまでの転換期をどのように乗り越え、看護の立場から現場を変えてきたかを語りました。
- 看護研究発表今年は、全249題の発表(口頭発表139題・示説発表110題)が行われました。
- 一般演題A・B 一般演題A(実践報告・業務改善報告)40題、一般演題B(ワークショップ15題・交流セミナー4題)が行われました。ワークショップはWRAPやマインドフルネスなど具体的なスキルをテーマにした企画が多く、各会場とも企画者・参加者の熱気があふれていました。
- 緊急企画 隔離・拘束を最小化するにはどうしたらよいか。現場の声を政策提言に反映させるための意見交換会が行われました。
- 管理者セミナー 昨年に引き続き岡本眞知子さんと仲野栄業務執行理事の名コンビによる「看護管理者の悩みをスッキリ解消します」では、的確な助言が参加者のエネルギーとなりました。
- アール・ブリュット展 今年もアート写真展と併せて開催。作家のライブペインティングも行われました。駅から近い会場ということもあり、学術集会参加者はもちろん市民の方も訪れ、1つ1つの作品に見入っていました。
2016年6月10日(金)~6月12日(日)、岩手県盛岡市のマリオス(盛岡市民文化ホール)、アイーナ(いわて県民情報交流センター)で、第41回日本精神科看護学術集会が開催されました。学術集会主題は「こころの健康を通して、だれもが安心して暮らせる社会の実現に向けて~精神科看護のチャレンジ」。ケアの振り返りをまとめた実践報告、アート写真コンテストの受賞作品の展示など、新たな試みがたくさん盛り込まれた学術集会となりました。
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基調講演・シンポジウム 学術集会主題をテーマに、基調講演とシンポジウムが行われました。末安会長による基調講演では、盛岡市内の病院のフォトムービーを上映。ご自身の原風景となっている臨床での経験を紹介し、「自分にとって過去を振り返ることは、新しいことを始めるための助走だ」と語りかけました。シンポジウムでは3名のシンポジストがそれぞれの現場で取り組んでいる「精神科看護のチャレンジ」を語りました。
- 教育セミナー 今年はケア現場での課題である虐待、身体ケア、実習指導をテーマに教育セミナーが行われました。「精神科医療における身体ケアの課題と展望」では調査研究報告、スタッフ教育、一般病院との連携などの多方面の報告を受け、精神科医療における身体ケアの将来ビジョンについて話しあいました。
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実践報告・交流セミナー 今学術集会から新たに設けられた実践報告では、日々の看護の工夫が報告され、フロアからも具体的な質問がたくさん出されました。交流セミナーでは、東日本大震災後の取り組みや支援などをテーマに、全国の参加者が語りあいました。
- 看護研究発表 看護研究発表245題(口頭発表112題、示説発表133題)の発表が行われました。
- アール・ブリュット展 今年は、11人の作家のアール・ブリュット作品に加え、日精看が全国に呼びかけて募集したアート写真の中から11枚の写真が展示されました。プロジェクターには応募作品すべてが映し出され、多くの方が見入っていました。
- 東日本大震災関連展示 東日本大震災の復興支援として東北3県をめぐってきた学術集会も今回がフィナーレ。支部企画として、岩手日報社の協力による写真展示が行われました。今後起こりうる震災への教訓を見つめ直す機会にもなりました。
2015年6月18日(木)~6月20日(土)、福島県郡山市のビッグパレットふくしまで、第40回日本精神科看護学術集会が開催されました。基調講演、シンポジウム、研究論文発表、企画セミナーはもちろん、40周年記念の会長講演、厚生労働省による行政報告、教育セミナー、業務改善発表、看護管理者を対象としたセミナーなど、盛りだくさんのプログラムでした。
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会長講演 フォトムービー「365」の上映を皮切りに、学会の変遷や経緯、精神保健医療福祉の動向を踏まえた今後の精神科看護者の役割や日精看の理念について解説されました。
- 基調講演 学術集会テーマ「患者が望む生活の実現をめざして」について、地域全体で患者の生活を支える視点から、看護者の意識改革の必要性が示唆されました。
- 各発表 看護研究助成論文2題、看護研究発表251題(口頭発表142題・示説発表109題)、業務改善発表46題の発表がありました。
- 震災企画 支部企画として震災のパネル展示や、ビッグパレットふくしまでのボランティア活動のOB会、また福島県相双地区における現状報告や今後の支援について考えるシンポジウムを開催しました。
- 管理者セミナー 看護管理者が日ごろの悩みを率直に語り、アドバイスを得られる場となりました。「このセミナーに出て、1年はがんばれそうだ」という参加者の言葉もあり、みんなで励ましあい、勇気を得ました。
- アロマ 今年のアロマセッションも、アロマの知識を学んだり、実際に体験できる場となり、多くの方が参加。看護者にとってのこころと体を見つめ直す機会となりました。
- ア-ル・ブリュット展 今年は10人の作家の作品が展示され、枠にとらわれない自由で創造的な世界が会場に広がりました。訪れた方の多くが、息をのみながら作品を見つめていました。
2014年6月6日~6月8日、広島国際会議場に1,800人が集結
第39回日本精神科看護学術集会(広島県)開催報告
日精看が厚生省(当時)の認可を受けて「社団法人日本精神科看護技術協会」としてスタートした1976年、記念すべき第1回の全国大会が広島で行われました。38年を経て「一般社団法人日本精神科看護協会」として新出発した2014年、学術集会の開催地は広島でした。記念の地で開催された過去最大級の学術集会(広島)を振り返ります。
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オープニング 学術集会専用ホームページのカウントダウン企画を再現。全国の精神科看護者がスクリーンに登場してカウントダウンを行ったあと、広島県支部長の中川惣一さんの開会宣言でスタート。
- 基調講演 学術集会主題「精神科看護のスキルとしてのチームマネジメント」をテーマにした大塚副会長の講演では、スタッフと管理者それぞれが実践すべきマネジメント像が提示されました。
- 発表は全339題 286題の看護研究発表。そして今回から広く募集した業務改善発表は53題、患者さんの直接的なケアや医療安全対策、職場環境づくりまで、現場からさまざまな工夫が集まりました。
- 多彩なセミナーは34企画 教育セミナーから、参加者が企画・運営を行う企画セミナーまで。改正精神保健福祉法、行動制限最小化、排便コントロール、グリーフケア、シミュレーション教育、WRAP、看護者のうつ、実習指導など多様なテーマで。
- 看護管理者の部屋 今回のスペシャル企画。管理者セミナーや管理者交流会を、1つの会場で約5時間にわたって集中的に行いました。精神科看護管理者ならではの関心や悩みが集まり、活発な交流が生まれました。
- アロマ 代替補完医療として医療や福祉現場での取り組みが増えているアロマセラピー。今回は特設会場でセミナーやマッサージ体験会を実施。昨年以上に熱心な参加者ばかりでした。
- アール・ブリュット展 作品の展示だけでなく、人気作家の小津誠さん、五則野わらじさん、勝部翔太さんが会場で制作を行うライブ企画が実現。圧倒的なアートが生まれる瞬間に、たくさんの看護者が立ち会いました。
- さまざまなプログラム マネジメントをテーマにしたシンポジウム、診療報酬や法改正に関する行政報告、災害関連企画、学会カフェやワールド・カフェやオフ会といった交流企画、映画試写会やフォトムービー『365日』上映など、例年以上に多様なプログラムが行われました。会場のある広島平和記念公園では、日精看の記念樹クロガネモチに絶えず人が集い、最終日には、大勢の参加者が協力して「原爆の子の像」に千羽鶴を奉納しました。
- エンディング 示説発表の投票企画の結果、鈴木敦子さん(名寄市立総合病院/北海道)の「精神科訪問看護におけるリカバリープロセスに合わせた支援」が最多得票で最優秀賞を受賞しました。
- 旧湯治場で 開催の約1か月前、末安会長と中川支部長は、広島駅から車で1時間ほどの「湯の山温泉」を訪れていました。昭和30年ごろまで精神科治療のために使われていた湯治場で、現在は静かな温泉地です。当時の拝殿がそのまま残っている湯ノ山明神社で、歴史を想いながら、学術集会の成功を祈願しました。
2013年5月31日~6月2日、仙台、1,200人の学びと交流
第38回日本精神科看護学術集会(宮城県)開催報告
「365〜変えられない一日に寄り添い、変わっていく一日に寄り添う」。日精看の今年度のテーマを映像化したスライドショーと、末安会長の基調講演「精神科看護の本質と社会的意義」でスタートした学術集会。精神科看護者ひとりひとりの実践や思いを、さまざまなかたちで持ち寄り、語りあい、それぞれの現場で活かすための交流の機会として、多彩なプログラムが行われました。
シンポジウムやセミナー、看護研究発表といった主軸のプログラムは充実度を増し、業務改善発表会や示説発表の投票、写真展やアロマ体験会などの新しい試みも加わり、復興へ歩み続ける東北をめぐる取り組みも発信・共有されました。その模様をダイジェストで報告します。
- 基調講演末安会長による講演では、精神科看護の現場とそれを取り巻く社会の現在、先人たちが積み上げてきた過去を振り返りながら、精神科看護者が進むべき「これから」についての「問い」が投げかけられました。(基調講演の動画はこちら)
- 行政報告 「医療分野の『雇用の質』向上プロジェクトチーム報告」では働きやすい医療現場をつくる取組について、「精神保健福祉法改正案について」では、急性期医療の促進や保護者制度の見直しなどが、それぞれ厚生労働省より報告されました。
- シンポジウム 「制度の変革期に求められる精神科看護の役割とは」と題したシンポジウムでは、入院制度の改正が臨床に与える影響や、精神科看護者の果たすべき役割、保護者のかかわり方、患者の権利擁護、退院に関する地域連携などについて議論されました。
- 災害関連企画 日本精神科看護技術協会東北協議会によるシンポジウム。これまでの取り組みや復興支援学術集会の報告、近隣地域ネットワークの広がりや可能性、東北6県の現状などについて、これからへの期待や希望が込められた熱いメッセージが交わされました。
- 助成論文発表 「精神科看護師の一般診療科研修における成果と身体合併症ケア能力向上のための教育プログラム構築への示唆」藤野成美さん(佐賀大学医学部看護学科)他と「精神科病院における緩和ケアの現状と課題」荒井春生さん(健康科学大学福祉心理学科)他が発表。
- 看護研究発表(口頭) 今回の学術集会の口頭発表は総数175席。5つの会場で、さまざまな領域における研究発表が行われました。1発表につき10分という時間の中で、発表者それぞれの独自のスタイルで成果や課題が示され、質疑応答ではおおいに盛り上がりました。
- 看護研究発表(示説) ポスター発表は全97席。内容だけでなく見せ方にも工夫を凝らした発表が数多く見られました。また、今回は初の試みとして参加者による投票が実施され、得票数の上位3題には表彰状とともに「地元(宮城)のおいしいもの」が進呈されました。
- 映画 学術集会の目玉企画の1つである映画上映会。今回は、発達障害とダウン症の兄弟を描いた『39窃盗団』と、ニューヨークのアートコレクター夫妻を追ったドキュメンタリー『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』の2作品が上映されました。
- 企画セミナー 被災・喪失体験をした子どもへのグリーフサポート、米国の精神科高度実践看護師の活動から展望する今後の精神科看護、シミュレーション教育を取り入れた「夜間急変対応」など、多種多様な14の企画セミナーは、今回も大盛況でした。
- 写真展 大阪の浅香山病院の日常風景が写し出された『ココ今ニティー写真展in浅香山病院』(撮影:大西暢夫)。訪れた人たちは、1枚1枚の写真と静かに向きあい、そこにある風景だけでなく、自分自身の看護現場にも想いをめぐらせているようでした。
- アロマ体験会 医療の現場で浸透してきたアロマセラピーを気軽に体験できるアロマ・リラクゼーション・ルームでは、たくさんの人が癒やしの空間を楽しんでいました。サシェ(ポプリの香り袋)のプレゼントや、ゆったり休める石巻工房のソファも大好評でした。
- アール・ブリュット展 日精看の学術集会といえばアール・ブリュット展。日常=「365日」をテーマに7名の日本人作家の作品を展示した今回は、地元の方々にたくさん観ていただけるように、期間を延長して開催して、今年も大好評でした。
- 教育セミナー 武井麻子氏と小宮敬子氏による教育セミナー「グループで育むエモーショナル・リテラシー」には、実際に病棟でグループを実践している看護師2名がパネリストとして参加し、その体験談を通じて、より実践的な取り組みとして共有されました。
- 出前講座 学術集会の参加者だけでなく、市民にも公開した「実践!こころの健康出前講座」では、家族や自分自身の「こころのSOSサイン」に気づいたときに役立つ対処法や基礎知識などがわかりやすくレクチャーされ、貴重な交流の機会となりました。
- 業務改善発表会 臨床でのさまざまな取り組みを発表・共有できる場として教育認定委員会が企画した「業務改善発表会〜精神科病院における感染予防対策の取り組み」。目で見る感染対策の指標やノロウイルス対応など、工夫や改善の具体的実践が語られ、議論されました。
- 学会カフェ いつも賑やかな学会カフェ。宮城県の作業所や企業などたくさんのブースが出店し、日精看ならではの「学びの祭典」を盛り上げてくれました。なかでも石巻の海産物を販売する「石巻GAGAの力プロジェクト」の女性たちが元気と華を添えてくれました。
- ランチョンセミナー 製薬会社や出版社など企業によるランチョンセミナーも恒例の人気企画の1つ。今回は、大塚製薬株式会社、ヤンセンファーマ株式会社、精神看護出版、医学書院による多彩なテーマのセミナーが開催されました。
- エンディング ラストを飾るエンディングでは、示説発表の投票結果発表と表彰式や、「365」スライドショーの再上映などが行われ、3日間の学びの祭典を閉幕するとともに、広島県支部長から次回の学術集会(広島県)の抱負が語られ、新たなスタートの場ともなりました。
ラン・ナース
ラン・ナース代表 伏田善祐
(滋賀県立精神医療センター)
- みちのく復興ナースマラソンを終えて
- 「福島以外の人たちの原発事故の記憶が風化しつつある」という見出しの記事が目にとまった。学術集会に参加する全国の仲間に現状を伝える役割を担えないか。「被災地のいまを写真に収めながらタスキをつなぐ」この企画に賛同してくれた6名と、日精看66周年にちなみ66kmを走ることにしました。6名がタスキをつなぎつつ懸命に走りながら目にした光景は、少しずつ変化を遂げる一方で、海沿いなどは未だ手つかずの景色が残っていました。つなぐこと、つながることに感謝し、今後も地道に活動していきたいと思います。完走のセレモニーをしていただき、感謝しております。
学術集会主題から見える時代の変遷
日精看では、精神保健医療福祉の現状をふまえ、毎年、研鑽すべき内容や精神科領域での課題を日本精神科看護学術集会の主題として掲げています。主題は、前年度の6月ごろより検討を始め、教育認定委員会の検討を経て、理事会で決定します。主題の変遷を見ると、その時代ごとのトピックスが感じとれます。
年度 | 回 | 開催地 | 学術集会主題 |
---|---|---|---|
1976 | 1 | 広島 | 精神科看護の主体性 |
1977 | 2 | 千葉 | 偏見と精神科看護 |
1978 | 3 | 沖縄 | こころ |
1979 | 4 | 福島 | 看護の“め” |
1980 | 5 | 熊本 | 創る |
1981 | 6 | 島根 | 生きる |
1982 | 7 | 北海道 | 自立への援助 |
1983 | 8 | 群馬 | 高齢化社会と看護 |
1984 | 9 | 大阪 | 精神医療と公共性 |
1985 | 10 | 東京 | 精神科看護の原点 |
1986 | 11 | 徳島 | 精神科看護の視点 |
1987 | 12 | 山形 | 医療における社会的合意 |
1988 | 13 | 福岡 | 精神保健法と看護-新しい精神医療の幕あけを迎えて |
1989 | 14 | 愛知 | 精神保健と人権-いま、臨床の場では |
1990 | 15 | 神奈川 | 時代を拓く-精神科看護の専門性を探る |
1991 | 16 | 岩手 | 精神科看護の専門性-看護判断 |
1992 | 17 | 山梨 | 看護のかかわり-病院から地域へのひろがり |
1993 | 18 | 北海道 | 看護の機能(はたらき) |
1994 | 19 | 佐賀 | 看護の評価 |
1995 | 20 | 千葉 | 精神科看護のアイデンティティ |
1996 | 21 | 青森 | 看護の役割拡大-くらしの場と看護 |
1997 | 22 | 石川 | 精神科看護の実証 |
1998 | 23 | 広島 | 21世紀に求められる精神科看護-精神科における「看護サービス」の現状と課題 |
1999 | 24 | 鹿児島 | 21世紀に求められる精神科看護-精神科における「知る権利」の現状と課題 |
2000 | 25 | 香川 | 21世紀の精神科看護をデザインする |
2001 | 26 | 栃木 | 看護者の自立-精神科看護の新たな展開 |
2002 | 27 | 岐阜 | 精神科看護の質の向上と卒後教育 |
2003 | 28 | 沖縄 | 精神科看護の質の向上とマンパワーの確保 |
2004 | 29 | 秋田 | 精神科看護における情報管理-情報開示とインフォームドコンセント |
2005 | 30 | 静岡 | 精神科看護における情報管理-情報に関わる個人の権利と情報の保護 |
2006 | 31 | 長崎 | 精神科看護の展望-制度改革と看護者の役割 |
2007 | 32 | 島根 | 精神科看護の専門性と社会的評価 |
2008 | 33 | 大阪 | 制度転換期に期待される看護の調整力 |
2009 | 34 | 大分 | 精神科医療における裁量権と看護判断 |
2010 | 35 | 東京 | 精神科看護の未来を拓くケア対象者の変化と看護活動の地域への展開 |
2011 | 36 | 福岡 | 多職種チームの実現と看護の役割-目標を共有し、看護の独自性を発揮する |
2012 | 37 | 兵庫 | 精神科看護と社会貢献 |
2013 | 38 | 宮城 | 精神科看護の本質と社会的意義 |
2014 | 39 | 広島 | 精神科看護のスキルとしてのチームマネジメント |
2015 | 40 | 福島 | 患者が望む生活の実現をめざして-精神医療改革と看護者のかかわり |
2016 | 41 | 岩手 | こころの健康を通して、だれもが安心して暮らせる社会の実現に向けて ~精神科看護のチャレンジ~ |
2017 | 42 | 岡山 | 質の高い看護実践を保障する~個別性と効率性の矛盾を克服して~ |
2018 | 43 | 愛知 | 精神科看護の創造と継承 |
2019 | 44 | 長崎 | 精神科看護の継承と発展 |
2020 | 45 | 沖縄 | ※新型コロナウイルス感染症の影響により開催中止となりました |
2021 | 46 | Web | 予測できない未来に備える事業継続計画(BCP)と対策 |
2022 | 47 | 沖縄 | 地域づくりにおける精神科看護職の役割 |